2019/11/16
マッサージの治療効果については、以前お知らせに記載していました!⇒詳細はこちら
今回は、マッサージが身体にもたらす変化についてです。マッサージを受けると、受けたところだけではなく、内臓や身体の別のところに影響を与えます。
身体の部分や組織ごとの作用を詳しく解説していきます!
①血管や心臓(循環器系)への作用
● マッサージの直後は、身体の中の圧力が高まります。その後、血管がゆるんで動脈の血流は促進していきます。最初は部分的に、そして徐々に全身の循環が促進していきます。(ゾンメルブロード実験)
● マッサージにより、血液の中の酸素を運ぶ役割をしている赤血球と、菌やウィルスを退治して、身体を守っている白血球が増加していきます(ミッチェル)。また白血球などの血球などを作る機能、造血機能が増加します(モーゼンガイル)。
● 首のけい動脈付近のマッサージは、迷走神経(副交感神経)を刺激して、心拍動を緩やかにして血圧を下げます(ツェルマーク・へーリング反射)。
⇒マッサージは全身の循環を促進させ、また血液を作る機能を活性化します。
そしてそれだけではなく、心臓の機能にも影響を与えます。
例えば、首へのマッサージを念入りに行うと迷走神経を刺激して、血圧が低下する可能性があります。一時的に血圧が低下すると、貧血になったようにくらっと倒れてしまう場合があります。実際にそういった経験をされた方もいらっしゃると思います。私も以前に働いていたお店で同僚がマッサージしたお客さんが、ふらっと倒れてしまわれたことがありました。イスでマッサージを受ける場合は特に注意が必要です。
丁寧に様子を見ながらマッサージすることが大切ですし、知識も必要です。
②神経への作用
● 弱い刺激は身体の機能を引き起こさせ、適度な刺激は亢進させ、強い刺激は抑制させ、最も強い刺激は停止させる(アウントシュルツの法則 一部改)
⇒感覚神経への刺激の強弱で、身体の機能を亢進させたり、抑制させたりすることができます。
身体に負担の多い姿勢を続けるなど、筋肉を使いすぎて硬くなってしまっているとき(いわゆる凝っているとき)はある程度の強さの刺激をいれて、筋肉の働きを抑制して緩ゆるめる必要があります。逆に、身体に麻痺があって筋肉が動きにくかったり、感覚が少なくなっている場合は弱めの刺激を行い神経の機能を活性化させてあげる必要があるのです。
● 身体の痛みを緩和させる。
⇒「痛い」という刺激は、細い神経線維で脳に伝えられます(痛覚)。逆にマッサージのような触られている感覚(触・圧覚)は太い神経線維で伝えられます。したがって、痛みの起こっている近くを触ることによって、太い神経線維を通るマッサージの感覚が、痛みの感覚を押しのけて脳に伝わっていくので、痛みが緩和したと感じます。(ゲートコントロール説)
この写真の道路のように、考えるわかりやすいです。右側の車の列がマッサージの刺激が伝わっている様子、奥で止まっている車たちが痛みの刺激です。マッサージの刺激が通ることによって、痛みの刺激が通れずにまちぼうけしてしまっています。このように、痛みの刺激を伝えないようにすることで、痛みを緩和させるという理論です。
そして、マッサージの刺激が気持ち良いほど、痛みの刺激は通りにくくなり、刺激が不快であれば、痛みの刺激は通りやすくなります。
なので、気持ちいい(快)感覚は、痛みを緩和させるうえで、とても大切なのです。
以下基本的には箇条書きで簡潔に記載していきます。
③皮膚への作用
● 皮膚の新陳代謝が盛んになり、弾力性は強くなる。
● 皮膚血管の反応が敏速になり、皮膚呼吸や汗腺が活性化する。
● 頭部では、毛髪の育成を促す。
⇒皮膚も血管への影響を大きく受けて、マッサージにより組織を活性化させることができます。新陳代謝を盛んにして老廃物の排せつも促していきます。特に頭の皮膚には毛髪があることにより、毛髪の育成を期待できます。
逆にアトピー性皮膚炎等、炎症が起きているときには幹部にマッサージをすると、血行を良くしてしまい、さらにかゆくなる物質の分泌を促進させていしまうので、すべきではないです。炎症の場合は冷やして抑えるなど、別の方法を実施しましょう。
④関節への作用
● 関節内の血行を良くして、運動が安全に行えるようにする。
● 関節の動ける範囲(可動域)を広げる。
● 関節の中の滑らせる液(滑液)の分泌を促して、運動を滑らかにする。
● 靭帯を強くして、関節の固定を向上する。
● 腱・靭帯が固まったりくっついていたりして動きが悪い状態をはがすことにより改善する。
● 関節の変形を予防する。
⇒関節へのマッサージは、運動させる手技(運動法)か、強くさする手技(強擦法)を主に行っていきます。他の部位と同様に組織を活性化させることによる効果もありますが、運動することが目的の部位なので、動きを良くするということが重要な作用です。
⑤消化器への作用
● 背中のマッサージにより、胃液の分泌が亢進し、消化機能が向上することで、食欲が増進する。
● お腹のマッサージにより、腸の吸収力や動きが向上し、便通が良くなる。
● 全身のマッサージにより、全身の新陳代謝が盛んになり消化機能も亢進する。
⇒マッサージによりリラックスすることで、副交感神経が優位になり、消化活動が活性化します。マッサージをしていると、お腹が「グー」となる方が多いです。それはリラックスできて、消化器がしっかり働いているからと言えると思います。私もマッサージしながら「グー」となってしまうことがあるのですが、それは単にお腹がすいている可能性が高いです。
⑥呼吸器への作用
胸部のマッサージや運動で、肺機能が活性化し、肺活量や酸素の摂取量が増加します。
普段の姿勢が前かがみで、肩を前に出してしまっている場合、胸郭が狭くなって、気づかない間に息を吸いにくくなってしまっています。マッサージで筋肉の機能を取り戻し、胸郭を動かすことができるようになると、しっかり呼吸することができます。
⑦まとめ:全身への作用
● 全身の血液循環を促進し、全身の細胞の栄養を高める。
● 筋、腱の異常な硬さ(緊張)を和らげる。
● 身体の組織のいらなくなったものの分解や吸収を促して、排せつ作用を促進させる。
● むくみ、うっ血などを血液やリンパ液の滞りを取り除く。
● 爽快な感覚を与えることにより精神を落ち着かせる。
以上、マッサージが身体に与える影響について、説明いたしました!
マッサージは、このように、メリットがたくさんあります。もちろん、過度の刺激で組織を傷つけないように施術する必要がありますし、一度マッサージを受けたからと言って一生健やかな身体でいられることを保証されたものではありません。自分の健康は自分で手に入れなければなりません。
でも、健康を保つための、その一つの手段として、マッサージはとても有用な方法であると、かたく信じております。
ではまた!
マッサージの強さはどれくらいが良いのか⇒こちら
————————————————————————
MoKkindoa(モッキンドウ)マッサージ
TEL 0798-77-7023
ADD 兵庫県西宮市甲風園3丁目13-9 1F
門戸厄神駅徒歩4分
一言メッセージ
また芸能人の麻薬(MDMA)所持で逮捕のニュースが出ました。沢尻エリカさん、、、どうして。麻薬は依存性があると言われています。コーヒーもお酒も、そしてマッサージも時々言われたりします。逆にスポーツは依存性とは言わないですね。依存性とは何なのか。頼ってしまうということですよね。確かにスポーツは自分で行いますが、マッサージは他の人が揉みますから頼っていることになるかもしれません。でも、背中など自分ではマッサージできないし、できたとしても他の人にやってもらったほうが気持ちいいものです。日々の仕事の疲れがあるならば、麻薬はだめですが、頼れるところは頼ればよいのではないでしょうか。マッサージに限らず、友達の助けも、手すりも、助成金も、そして両親も。
————————————————————————